技術記事

アッテネータ回路を基板(PCB)上に組む。回路構成と目的とは。

エンジニアをやっていると、
突然、
基板上に
アッテネータを組み込む
場面がやってきます。
拙者はそれで、
大いに慌てた経験があります。
そこで今回は、
基板(PCB)上に組む、
アッテネータ回路について。

アッテネータは、信号を減衰させる回路

アッテネータは、
信号を減衰させる
回路です。
何のために、
そんなことをするのか。
その用例と意図を
下記に解説します。

まずは、アッテネータの回路図から

アッテネータの
代表的な回路は、
$\Pi$(パイ)型とT型である。

アッテネータ_回路図_T_pie図1

減衰量:-20dB (1/10)
にしたい場合は、
R1, R2の抵抗値は
例えば、
下記のようになります。
$\Pi$型: R1=61.1 ohm, R2=247 ohm
T型: R1=26 ohm, R2=35.1 ohm

目的1: 入力振幅の上限をクリアするため

電気信号を測定する
ときは、
オシロスコープや
ロジックアナライザなどの
機器に対象の信号を入力
する必要があります。
しかし、
測定機器に入力できる
信号の
電圧もしくは電流値には
上限値があります。

そのため、
入力信号を
減衰させる
回路、
すなわちアッテネータ
が必要となります。

アッテネータ_用例図2

しかし、
アッテネータによって
減衰させた信号の
波形は
アッテネータなしの
場合と
同じになるように
しなければならない。

オシロスコープや
ロジックアナライザの
入力インピーダンスは
一般的に
50ohmである。

そのため、
上述の
T型と$\Pi$型の
アッテネータは、
通常、
後段に50ohmが接続される
前提で、
入力インピーダンスが
50ohmになるように
R1, R2が設定されます。

入力インピーダンスを
あまり気にしない場合、
(とにかくHigh impedance
であれば良い場合など)は、
T型や$\Pi$型ではなく、
単純な
抵抗分割を使用する
こともありますが。

目的2: インピーダンスのミスマッチの影響を軽減

もう一つの
効果として、
アッテネータ後段の
入力インピーダンスが
50ohmからずれていた
としても
アッテネータ前段から
みた
インピーダンスのミスマッチの
影響を抑える効果があります。

そのため、
たとえば、
図3のようにコネクタのところなどで、
インピーダンス不整合が
想定される場合、
その不整合箇所の
出来るだけ近くに
アッテネータを配置し、
インピーダンス不整合を
軽減することが
考えられます。

アッテネータ_用例2図3

不整合箇所のインピーダンスを$\alpha$とします。
下のグラフは、
アッテネータ前段から見た
入力インピーダンスと$\alpha$の関係です。

アッテネータ_入力インピーダンス図4

横軸を
$\alpha$: 20~80 ohmまで
振ってみましたが、
アッテネータの入力インピーダンスは、
50 ohm± 0.5 ohm
の範囲に
収まっている
事が分かります。

目的3: アッテネータの先からの反射の影響を軽減

High impedanceプローブ
が使用できる場合は、
少し応用的な
用例として、
図5のように
反射の影響を
抑えることが
考えられます。

アッテネータ_用例3図5

DUTの信号に
測定系の反射波が
乗ることが予想される
場合は、
アッテネータ回路を基板上に
組むことによって、
反射の影響を
相対的に小さくするのである。

最後に

上記、
ご参考になれば
幸いです。

PCBのCADに
ご興味のある方は、
下記もご参照ください。

ABOUT ME
アバター
ヘーシロー。
地方大卒。エンジニア歴20年近いオジ。
最初の職場はブラック。
長年の忍耐を経て、
ブラック脱出を決意。
就職先の影も形もない状況で浪人する。
ブラック脱出後、メーカーや商社で、
自身の英語と技術知識に自信を持つ。
リスクをとっても
ブラックからは脱出すべきと確信。
リスクをとる個人が増えることを願い、
技術記事やキャリア形成、
英語について、
思うところを発信する。
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